台湾の冬至文化―湯圓(タンユエン)
12月下旬に迎える冬至。
日本ではかぼちゃを食べたり、ゆず湯に入ったりといった風習がありますが、台湾ではこの日に「湯圓(タンユエン)」を食べる習慣があります。
湯圓は、もち米の粉から作られる小さなお団子で、日本の白玉団子に少し似ています。丸い形は「円満」や「団らん」を意味し、家族の絆や幸せを願う縁起の良い食べ物とされています。台湾では、冬至に湯圓を食べることで「また一つ歳を重ねた」と考える伝え方もあり、季節の節目として大切にされています。
湯圓の楽しみ方はさまざまです。
黒ごまや落花生の餡が入った甘い湯圓を、酒醸(発酵米)を使ったやさしい甘さのスープや、甘い汁粉風のスープでいただくのが定番ですが、最近ではかき氷やデザートのトッピングとして楽しまれることもあります。
一方で、豚肉餡入りの湯圓や、餡の入っていない小さな湯圓を、だしの効いた塩味のスープに入れた「鹹湯圓(シエンタンユエン)」も家庭料理として親しまれています。こちらは、日本のお雑煮に近い感覚で、寒い季節に体を温めてくれる一品です。
同じ冬至でも、国や地域によって過ごし方や食文化はさまざま。
台湾の冬至文化を知ることで、季節行事をより身近に感じていただけたら嬉しいです。台湾を訪れる機会があれば、ぜひ現地で湯圓を味わってみてください。